国内フィンテックの拡大!ソーシャルレンディングの市場規模は?
カテゴリ:投資ニュース

今回はソーシャルレンディングの市場規模について考えます。ソーシャルレンディングは「クラウドファンディング」と定義が曖昧な部分がありますが、いわゆる「融資型のクラウドファンディング」を持ってソーシャルレンディングといいます。
ソーシャルレンディングの市場規模は?
まず、世界全体におけるソーシャルレンディングの市場規模は2015年時点で約300億円に達するといわれています。この数年で、著しい伸びを記録しています。
2012年度 | 約50億円 |
2013年度 | 約120億円 |
2014年度 | 約200億円 |
出典:https://crosoc.com/market_size/
ソーシャルレンディングはこれまでのように銀行(金融機関)が仲介役となり、貸し手と借り手を繋げていた構図から変わり、両者を「直接つなげる」融資のカタチとして誕生しています。
そのため上記の市場規模は「AからBが奪い取った」という市場規模の変遷ではなく、B(ソーシャルレンディング市場)が新たに誕生した!と考えることが重要です。言い換えれば、新たにソーシャルレンディングの市場が誕生したということです。
ただ、この市場規模には「上下」があります。ある資料では、世界の大手5社のみで市場規模1億円ともいわれています。その理由は、ソーシャルレンディングの「定義」にあるのではないかと思います。
繰り返しになりますが融資型のクラウドファンディングを「ソーシャルレンディング」というのが一般的です。ただその定義は曖昧で、市場調査によってはクラウドファンディングをすべて含んでいるものもあるようです。
日本におけるソーシャルレンディングの市場規模は?

これも前項と同じく、調査によってブレがあるというのが正確なところ。総合して300億円前後という統計がある一方、ソーシャルレンディング市場を牽引する国内大手の預かり額だけで300億円を既に所有しているのではという指摘もあります。
ただ確実にいえるのは、ソーシャルレンディングは急激な勢いで伸びているということです。今後、市場が拡大することで包括的な統計なども生まれていくのではないでしょうか。
国内Fintech市場のなかでの存在感

この勢いは国内Fintech市場においてどのような存在感を持っているのでしょうか。
FintechはFinance(金融)とTechnology(テクノロジー)の造語で、ITの力を使って様々な分野に革新技術を起こしていく動きを指します。一般的にはソーシャルレンディングもFintechの一端と見なされています。何を持って「Fintech市場」というかは見解が分かれるところですが、たとえば前年2016年にFintechベンチャーに投資された金額は過去最大のピークになったといわれており、専門家に聞くとこの流れは今後も続くと注目されています。
ただ、Fintechのなかで拡大基調のある分野と、成長曲線が緩やかになっている分野はあります。そのなかで、貸し手と借り手のあいだに仲介役を作らない「P2P(ピアツーピア)融資」と世の中で存在感を増しているソーシャルレンディングが拡大組といえるでしょう。
もう一方でFintechは少しずつ、「消費者」に近づいています。これまで「IT」がまったく入り込んでこなかった部分にもTechnologyの力で浸透している部分は多く、受け入れられた分野の市場規模は急拡大することでしょう。
ソーシャルレンディングが更に発展する日本で起こること

それではソーシャルレンディングが日常社会に浸透すると、普段の生活ではどのようなことが変わるのでしょうか。まずは多くの人の「投資リテラシー」が大きく上昇するのではないかと思われます。
これまでの銀行を介した融資は、どうしても資産を有する人に限られる傾向があったことに加え、「よくわからないからお金は出すけど、(投資銘柄などの)判断はファンドマネジャーに任せよう」という声が多くありました。
ソーシャルレンディングは貸し手と借り手を直接つなげるため、貸し手も情報収集力を持たなければ大きな損を負いかねません。そこで日々更新される状況把握力と、参考とする情報の収集力が強く望まれることになります。
いずれは株取引のなかで投資信託という方法が生まれたように、ソーシャルレンディングでも信託形式が生まれることになるのでしょうか。ただ、信託期間を持たないことによるソーシャルレンディングの「コストが安い」「(銀行による)審査のプロセスがない」ということで信託とは相いれない部分も際立っているため、生まれる可能性は低いのではないでしょうか。
ただ、ソーシャルレンディングが斬新な発想を基礎としているFintechに属するため、敢えて信託型のソーシャルレンディングが今後誕生をする可能性は残っています。
いずれにしても随分と前から「お金の殖やし方を学ぶ機会がない」といわれることの多い日本において、このようなソーシャルレンディングの更なる発展は歓迎を持って迎えられるのではと思います。比例して日本におけるソーシャルレンディングの市場規模も、更にペースを上げて広がっていくのではないでしょうか。
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